2012年1月30日月曜日

<書評> 予想通りに不合理

レビューブログと言った割には本の話ばかりで恐縮です。

この本、少し前に出版された本なんですが、読んでなかった事に気づいて発注。

結果、もっと早く読めばよかったなと。
経済に興味がある人ではなく、マーケティング、ソーシャル系に興味がある人に激しくおすすめです。

「行動経済学の本」というと難しい印象があるかもしれませんが、この本には難解な統計学の話や数式は出てきません。その代わりに「実験」という言葉を通じ、人々が何かの条件下に置かれた時にどんな行動を取るのかが時にユーモアを交えて解説されます。作者はイグ・ノーベル賞の受賞者でもあります。

いわゆる理論経済のベースには、人は合理的に行動し、その結果としてある結論が導き出されるという明示的なモデルが存在します。例えば、いくら紅茶が好きであっても一杯目の紅茶より二杯目の紅茶によって得られる満足度は低く、コーヒーが代替材になるのであれば紅茶とコーヒーがある一定の割合の場所で組み合わせによる満足度が最大になり、そこが均衡点であるという具合に。

ところが本書においては、人間の行動は実際には不合理であり、その不合理さもランダムに発生するのではなく予想通りの結果を招くということが説明されていきます。
実におもしろい。
特に価格に関する話や価格がゼロになった場合の行動、予想の話などはマーケッターは必読。個人的には、社会規範と市場規範の話が一番勉強になりました。

複数の本を並行して読んでいると、同じことが違う言葉で説明されていたり、さらに強く理解がされたり…フォーカシング効果かな?
経験的にそうだよねと思ってたことが、綺麗に説明されて腹に落ちる感じ。読書の醍醐味ですね。

2012年1月28日土曜日

<書評> 「先延ばし」にしない技術

ここのところ、数冊の本を並行して読んでいたのですが、「先延ばし」にしてはいけないと思い、読了。

今年に入ってからの私は、仕事でもプライベートでもやりたいことがたくさんあって、「時間が足りない」という感覚を感じていました。
本を読むにも時間は掛かりますし、最近サボリ気味になっているランニングも一度走ると1時間から3時間くらいは取られることになります。調べたいことは山ほどあり、会って話をしたい人もたくさんいて、更に試してみたいサービスも…。

私の場合、一番まずいのは、あるスレッショルドを超えたタイミングで出てくる「意味の無い焦燥感」と「こんなことしてていいのか?」感。
だからといって、逆にスケジュールを詰めたり、睡眠時間を削ったりしても良い結果が出ないことはわかっており、この歳になるとそっち方向には行きません。というわけで、何かのヒントがあればと思って読んでみました。

感想を一言で言うと、良書だと思います。良くまとまっていますし、独自の視点からの考察も感じられます。その反面、こういう系統の本を読んでいる方は「ああ、同じような話だなぁ」と感じるかもしれません。例えばブライアン・トレーシーの「カエルを食べてしまえ!」など。共通するのは、時間管理の話ではなく、意識やスタンスの話だということでしょうか。

今の私には根本的な気づきを与えてくれる本ではなかったのですが、幾つか考え方やスタンスに関するヒントをもらうことができました。というわけで、おすすめ。


2012年1月9日月曜日

<書評> 日本の歴史をよみなおす(全)網野善彦

一本目は今日読んだ本の紹介。

網野善彦さんの「日本の歴史をよみなおす(全)」です。

新しい大河ドラマも始まり、丁度よいタイミングだと思って読み始めました。筆者は現代を大転換期と位置づけ、そこから日本における最大の文明上の転換期であった中世に斬り込んでいきます。

内容は漢字、ひらがな、カタカナの話から始まり、当時の商業や金融、差別の問題や当時の女性像、更には日本という国の成り立ちや天皇制についても説明を加えていきます。読み終わってみて、正直目からウロコがたくさん。一番の驚きは、日本における百姓は農民とイコールではなく、貿易や金融で大きな富を得ていた人たちが多数存在したという下りでしょうか。

歴史って、まだまだ研究が進んでいる分野でもあり、我々が習った歴史とは違うものが浮かび上がってきたりしているんですね。院政を引く天皇家や平家の記述もあり、大河ドラマも興味深く見ることができると思います。

というわけでお勧め。


そんなわけで、今年はレビューブログを新しく立ち上げようと思います。

もうそれほどデジタルカメラを買ったり携帯を買い換えたりはしないと思いますが、ちょっとした文房具やガジェット、読んで面白かった本など。


時節柄書いておきますと、ステルスマーケティング的なことをやる気はありません。自分が実際に触れたものの中からシェアしたいものを紹介していこうと思います。一件、VIVA-JAPANのサイトで扱っているRoberuという革製品のプロデュースをお手伝いしてますが、これも実際に触れてみて良いものだったので紹介したいというのが始まり。

Roberu以外に利害関係が発生するものが出てきたら、投稿の中で明確にしながらやっていくことにしたいと思います。

Amazonアフィリエイトリンクは有りの方向で。これも嫌だったらログインして検索すれば良いので問題にならないかと。

他のブログやFacebookとの切り分け含めて将来的には見直すこともあるかと思いますが、とりあえず始めてみます!